そんなに考えなくてもいいと思う

しかし、考えることをやめられない。今の目標は、考え過ぎて動けないから動きながら考えるへのチェンジです。

破壊してきた

去年の9月から9ヶ月間オーストラリアにワーキングホリデーで行ってきた。
希望と逃避と不安の出国だった。
自分探しややりたいことを見つけるといったよりは
今まで自分が積み上げてきた価値観やこだわりを
とりあえずぶっ壊したかった。
ぶっ壊した後でそこに何が残るのか
何を新たに欲しくなるのか見てみたいと思った。

最初の三ヶ月間は、ブリスベンで語学学校に通った。
さまざまな国の人と話すのはとにかく面白く
英語が話せると世界が広がる、という意味を実感した。
南米系の男性のノリのよさをとても楽しんだ。
各国の考え方や文化の違い、あるいは変わらないこと。
日本人意外と話すことがこんなにも刺激的だったとは。
そこで私は運命の出会いをした。
彼は先生であった。
とてもまじめで一生懸命教えてくれる。
生徒の質問にもしっかり耳を傾け、誠実に答えようとする。
でも、ユーモアも持ち合わせており、ときどきジョークも言っていた。
彼のような人間になりたいと思った。
他の先生と圧倒的に違うのは、その熱意。
暑苦しいものではなく、押し付けるものではなく。
それにより、生徒が彼の授業なら受けたいと思った。
学校最後の日、私は日本から持ってきた折り紙で鶴を折った。
もちろん彼に渡すためである。
これにはかなりの勇気がいった。
運悪く、その日は彼の授業で終わりではなかったので、授業が終わったらわざわざ他の教室に行かなければならなかったから。
なんかラブレター渡すようで恥ずかしかった。
しかし、私はただ伝えたかった。

あなたに逢えてよかった。
ありがとう。

それを伝えたかった。
授業が終わってすぐに、走って彼のクラスに行き、空気も読まず折鶴を渡した。
何度もお礼を言ってくれた。
「あなたは素晴らしい先生です」って言ったら
「そんなことないよ、全然だ」って返してきたから、キュンとしてしまった。
そんなところも含めて好きだ!
 
素敵な出会いのあったブリスベンを離れ、シドニーへ。
運よくジャパニーズレストランで仕事が見つかった。
しかし、年末で忙しく毎日ついていくだけで必死だった。
英語もこれでもかというくらい聞き取れない、話せない。
語学学校はなんだったんだ!
打ちのめされつつも、仕事をやる。
うっわぁ。しんどい。
なにこの忙しさ。
向上心はうせ、ただ日々をこなすだけになっていた。
 
そして、お正月。
私はシドニーに来てはじめて、よかった、という出会いを果たす。

つづく。