そんなに考えなくてもいいと思う

しかし、考えることをやめられない。今の目標は、考え過ぎて動けないから動きながら考えるへのチェンジです。

すき家の第三者委員会報告書を読んだ

すき家第三者委員会報告書

http://www.sukiya.jp/news/tyousahoukoku%20A_B.pdf

8月4日放送のTBSラジオ荻上チキのsession-22」にてこのすき家問題を取り上げた内容のポッドキャスト。1週間だけ公開です。

荻上チキ・Session-22: Main Sessionアーカイブ

これに出演されている佐々木亮氏の記事。

ブラック企業を脱却できるか?~「『すき家』の労働環境改善に関する第三者委員会」の調査報告書を読んで(佐々木亮) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

まず感想としては「凄まじい」です。

長時間労働なんてものじゃない。

残業時間が月に160時間の従業員が珍しくなかったこと。しかもアルバイトにまで。

月45時間を超える残業時間が3カ月続くと、自己都合で辞めても会社都合とみなされます。つまり、そんだけ残業してたら辞めても仕方ないとされるんです。

月に80時間を超える残業時間になると過労死をしてもおかしくないとされます。

私は月に91時間の残業をしたことがあります。休みは1日だけでした。

そのときの状態は「無」です。

表情もなく感情も乏しく、家に帰っても何もする気が起きませんでした。

食欲もありません。人と話すのも億劫でした。常にイライラしていました。

幸いというか、接客業ではなかったのでいくら態度が悪くても上司に怒られるだけでした。

しかし、上司も疲れ果てているので態度のことで怒られるのは少なかったです。

つまり、いろんなことに鈍感になるんです。

自分のことも他人のことも世間のことも。

そんな状況を思い出し、この残業時間160時間というのは想像を絶します。

残業時間だけでもおかしいところは多々ありますが、他にもおかしいところがあります。

経営幹部が精神論ですべてを片付けようとしていること。

自分たちはもっとしんどかったという自負がある。だから、ここを乗り越えてほしいと今の若い人に教えたい。

委員会の質問に対して上記のニュアンスを返している場面があります。

ん~・・・自分は自分。人は人だよ。生まれた環境も能力も考え方も違うんだよ?

そういや私が勤めていたブラック企業の経営者もゼンショー幹部と同じようなこと言ってた。

いかに自分が大変だったか自慢してた。だから?って思いながら聞いてた。

精神論も必要だけどそれを支えるシステムも同じくらい重要です。

人手不足の中、店舗を拡大したゼンショーの戦略はシステムが崩壊していました。

精神論で乗り越えられたなら、この世の中なんの問題も起こらねぇよ。

と、この委員会と経営幹部の一問一答の件はイライラしながら読んでました。

未熟者ですね、私は。

 

労働基準監督署から是正勧告を受けていたのに全く対応していなかったのもおかしいです。

1回や2回ではありませんよ。

2012年度13通、2013年度49通です。

これ全部無視って悪質でしょう。

なんで刑事罰を科さないのでしょうか。

無視しても何もお咎めなしなら、そりゃ無視します。直しません。

法を守るよりも破った方が利益のある構図を維持させては、法の意味がない。

ゼンショーの理念は「世界から飢餓と貧困をなくす」です。

すき家を社会インフラと捉えていました。

崇高なる理念と偉大なる社会的意義に酔っていたんですかね。

法よりも理念に重点を置いてしまったんですね。

でも、こんな労働環境の下に成り立っているインフラなんて危うくて仕方ないです。

 

それにしても、よく第三者委員会を設置してその報告書を公表したなぁ。

そこは他のブラック企業とは違いますね。

ここに少しだけゼンショーに期待します。

変わることができるのではないか、と。

と、思うと同時に経営層を変えるくらいはするべきはないかと疑問にも思います。

定期的に報告書を出して、状況の改善を可視化してほしいです。

そして、何の気兼ねなくおいしい牛丼を食べたいです。