「花子とアン」による脳活性法
母が「花子とアン」を熱心に観てる。
私は観られるときが限られているので、断片的に観ている。
ふと気になってここ3日の展開がどうなっているのか聞いた。
「震災があってね、関東大震災ね、それでね」
母は、普段の話しぶりからは考えられないほど饒舌に語った。
声も大きくなっている。
登場人物の名前がうまく出てこないが、「仲間みゆき」など間違ってはいるが、なんとか絞り出して話を進める。
母は「元旦那と鉢合わせして今日は終わったの!」と締めくくった。
「おもしろい展開になったね」と感想を言った。
ドラマなどの物語を他人に説明するのは本当に難しい。
私は苦手だ。
重要ポイントを抑えつつ、さして必要のないことはしゃべらず、相手に分かるように話す。
ストーリーを思い出し、言葉にし、必要なことは漏れていないか確認する。
同時進行だ。
この前、ドラマの「MOZU」を人に話したが、途中でわけがわからなくなった。
観た本人もわかっていないことが多いのに、回想も入ってややこしいのに、理路整然と話せるわけがない。
話し終わった後は、どっと疲れた。
母も同じだったのか、話し終わった後はしばらく黙った。
普段しないことをすると脳は活性化するらしい。
通勤で知らない道を通るだけでも活性化するらしい。
おそらく母の脳は「花子とアン」の展開を話すというNOT普段の出来ごとに活性化されたと思う。
しばらく黙った後「花子とアン」のおもしろいポイントを聞いてもいないのに話し始めた。
きっかけを作った私は聞くしかない。
私の脳は、うまく話を切り上げさせるタイミングを探し始めた。
これも普段あまりしないことだ。
「花子とアン」により母娘の脳が活性化した夜だった。